基礎知識
法人カードの年会費は経費の扱い!勘定科目・仕訳、消費税区分を徹底解説

確定申告前に知っておくべき法人カードの年会費の勘定科目を解説

法人カードの年会費は経費の扱い!勘定科目・仕訳、消費税区分を徹底解説

法人カードを所有している個人事業主や経営者の方は多いと思いますが、経理処理の際にどのように仕訳をすればいいのか悩むという声を良く聞きます。

年会費が発生する法人カードは、経費として計上することが可能です。その際の勘定科目や消費税の扱いはどうすればいいのでしょうか。

今回は、法人カードの年会費の勘定科目や仕訳方法について解説。また、事前に知っておくべき経理処理の際の注意点も紹介するので、確定申告前などにぜひ一度チェックしてくださいね。

法人カードの年会費は経費として計上可能

法人カードの年会費は、経費として計上することができます。経営者、個人事業主関係なく法人カードとして所持しているカードの場合、年会費は経費扱いです。

また、従業員に発行する追加カード(子カード)や、法人カードに付随して発行できるETCカードの年会費に関しても、経費として計上することが可能です。

基本的に、個人事業主や法人で経費として計上するものは「事業に関わりがある支出」とされています。ビジネスに利用するクレジットカードは、事業活動の経費精算のため利用されるもの。そのため、法人カードの年会費は経費扱いとなるわけです。

個人事業主の法人カードは注意が必要

個人事業主の方で、特に法人カードを個人口座に紐付けてビジネスだけでなく私的な目的でも利用している場合には、経費計上に際して注意が必要です。

法人カードの年会費を経費として計上することができるのは、あくまで事業目的の利用のため。

私的利用があまりに多すぎる(50%以上など)と税務署から問題視され、年会費を経費として計上できなくなる可能性があります。

そのため、なるべく法人カードはビジネスのみの使用にとどめ、私的利用は個人用のクレジットカードを別途用意するなどの方法をとることをおすすめします。

勘定科目は「諸会費」または「支払手数料」

さて、法人カードの年会費は経費として計上できますが、その際の勘定科目は「諸会費」もしくは「支払手数料」という仕訳になります。

どちらを使っても問題ありませんが、一般的には「支払手数料」の勘定科目を設定する人が多く見られます。

なお、法人カードは「雑費」として勘定科目を設定することもできますが、この場合には年会費の金額に注意が必要です。

というのも、「雑費」とは「少額で、他のどの勘定科目にもあてはまらない経費」とされています。ここで言う少額とは、おおよそ1万円ほど。よって、法人カードの年会費が1万円以内に収まるのであれば、勘定科目を雑費に設定して計上することができます。

しかし、法人カードの年会費を経理処理する際には、発行した追加カードやETCカードも含めての金額になります。最初は少額で雑費扱いにしていても、後から追加カードを発行して金額が一万円を超えてしまった、ということにもなりかねません。

そういったことを考えると、最初から諸会費もしくは支払手数料で勘定科目を設定するのが一番無難でしょう。

経費計上の際には年会費の消費税も含めて処理

ここまで、法人カードの年会費に関する勘定科目について解説してきました。

ここからは、法人カードの消費税について解説します。

法人カードの年会費には消費税が発生します。そのため、経理処理の際も消費税を含めて経費として計上しなければいけません。

もし消費税分も含めて計上しない場合、消費税分を損する形になるので、確定申告の際にはしっかり確認しましょう。

消費税は「仕入税額控除」に仕訳して計上

法人カードの年会費消費税については、経理処理の際に「仕入税額控除」として申請します。

法人がクレジットカードに契約する際には、あらかじめ年会費に消費税分も含めた金額をクレジットカード会社に支払っています。

そして、年会費を受け取ったクレジットカード会社は、年会費の消費税を国に納めます。

ここで法人が支払った分の消費税がすでに国に収められていることになるため、あらためて法人が経費計上するときには、ニ重払いを防ぐために消費税分は「仕入税額控除」として申請するのです。

手続きに少し手間はかかりますが、無駄な消費税を支払わないためにも、きちんと仕入税額控除に分けて計上するようにしましょう。

法人カードの年会費・勘定科目に関する注意点

ここまで説明してきたとおり、法人カードの年会費は経費として計上し、勘定科目は「諸会費」もしくは「支払手数料」に設定します。

しかし、ただ勘定科目に分けて経理処理するだけでは、税務署から指摘が入ってしまう場合もあります。

ここでは、法人カードの年会費を経費として計上する際の注意点を解説します。

年会費の勘定科目は同じものを利用すること

法人カードの年会費の勘定科目は、「諸会費」もしくは「支払手数料」のどちらを選択してもかまいません。

しかし、一度選択した勘定科目は、翌年以降も使い続ける必要があります。去年は諸会費で計上したが、今年は支払手数料で計上、というのは駄目です。

これは、税務調査で指摘されるリスクを減らすためです。税務調査では、過去の確定申告も含めて申告内容に誤りがないかどうかを調査します。

もし年度ごとに勘定科目が変更されている場合、なぜ勘定科目の変更をしたのか説明するように指摘が入る可能性があるのです。

あらぬ疑いをかけられても手間がかかるだけなので、勘定科目は年度が変わっても同じものを使い続けるようにしましょう。

年会費が3万円以上の場合は請求書を保存しておくこと

税務に関する規則として、3万円以上の仕入れがあった場合には、取引があったことを証明する書類、たとえば請求書などを7年間保存しておかなければいけません。

年会費が3万円以上発生する法人カードもこの規則の対象となるため、年会費支払いを証明できる書類を保存しておきましょう。

銀行の取引履歴や、口座の振り込み内容が記載された通帳などがあれば安心でしょう。7年間保存する必要があるため忘れてしまいがちですが、しっかり管理しておくことをおすすめします。

仕事・私用の両方でカードを利用する場合、「家事按分」を使うこと

さきほど、個人事業主でビジネスと私用目的を兼ねて法人カードを利用する場合、私的利用が多すぎると年会費を経費として計上できない可能性があると解説しました。

しかし、「家事按分」という方法をとれば、私用目的を兼ねた法人カードの年会費も問題なく経費として計上することが可能です。

家事按分とは、事業目的と私用目的の使用が混在している経費のことで、事業目的で使用する比率だけを経費として計上することになります。

法人カードの年会費も、カードを仕事・プライベートでどれだけの割合で使用しているのかを判断し、その割合に応じた分だけの金額を経費として計上しましょう。

家事按分の割合を決定するには、決済した金額や使用回数などに基づいて決めます。もし自分一人で判断が難しい場合には、税理士に確認して経費計上できる金額を決めることをおすすめします。

なお、家事按分して計上する場合でも、年会費の勘定科目は「諸会費」もしくは「支払手数料」のどちらかになります。

まとめ:法人向けクレジットカードは経費として正しく計上しよう

今回は、法人カードの年会費に関する経費計上や勘定科目について解説してきました。

重要なポイントをまとめると、下記のとおりです。

  • 法人カードの年会費は「諸会費」または「支払手数料」の勘定科目で経費計上
  • 消費税も含んで経理処理する。消費税については「仕入税額控除」として計上
  • 一度使った勘定科目はその後も使用し続けること
  • 年会費が3万円以上の場合は、年会費の請求書や支払い明細を7年間保存すること
  • 仕事・プライベートを兼用した法人カードの場合、年会費は「家事按分」すること

法人カードの経費計上や勘定科目の設定は複雑に見えますが、一度わかれば簡単に経理処理することができます。

しかし、間違えてしまうと税務署から指摘が入る可能性もあるため、確定申告前にしっかり確認しておきましょう。勘定科目や仕入税額控除などに注意して、正しい内容で経費を計上してください。