法人代表や個人事業主がビジネスカードを持つことによるメリットとは
法人向けビジネスカードは持った方が良いという声をよく聞くけど本当にメリットがあるの?
そうお考えの方に向けての記事です。
今回はそんな法人向けビジネスカードに興味を持つ方に向けて、実際に法人代表としてビジネスカードを過去、現在で複数枚所有した経験がある筆者がメリット、そしてデメリットをわかりやすく解説していきます。
法人向けビジネスカードを所有するメリットとは
法人向けビジネスカードを所有するメリットをざっくり挙げてみると以下のようなものがあります。
- 領収書やレシート管理が不要になる
- ポイントやマイルが貯まるので経費節約になる
- 会計処理が楽になるのでバックオフィス業務が軽減する
- マネーフローにゆとりが出る
- 追加カードを発行することができるので経費がミエル化できる
- ビジネスシーンや福利厚生で割引など様々な優待が受けられる
- 旅行傷害保険やショッピング保険など
- 困った時に相談したり、対応してもらえる
メリット①領収書やレシート管理が不要になる
法人向けビジネスカードを持つ上で一番メリットを感じたのが、この領収書やレシート管理が不要になるということ。
法人向けビジネスカードを持つまでは経費になる物を購入する際に領収書やレシートを発行してもらい、それを経費精算するまで大事に保管して経理に渡すという面倒臭いプロセスがありました。
それまでは普通のことなので、当たり前のように行なっていましたが、法人向けビジネスカードを持つことによりこのプロセスが無くなり、非常に楽になったのです。
法人向けビジネスカードで決済することで、経費は全てWeb明細で確認、管理可能。
そのWeb明細は経費の立派なエビデンス/証明に。(会計士・税理士によっては一部解釈が異なることがあるようなので、一度ご確認ください)
法人向けビジネスカードを持つことでレシートを無くしてしまった、印字された文字が読めなくなって経費計上できなくなったなどのリスクから解放されます。
これは法人向けビジネスカードを持つ大きなメリットです。
メリット②ポイントやマイルが貯まるので経費節約になる
ポイントやマイルを獲得できるのも法人向けビジネスカードを持つ大きなメリットです。
法人向けビジネスカードによってはクレジットカード決済利用額に応じて0.5%から3%ものポイントを獲得できるものもあり、それらを商品券などに交換することができるのです。
一般的な法人向けビジネスカードはポイントをマイルに交換することが多いのですが、一部JALやANAが発行している法人向けビジネスカードはマイルが直接貯まっていくものもあり、マイル交換率が高く設定されています。
ポイントにせよマイルにせよ、通常であればただの経費支払いであるものにメリットが付いてくるのは嬉しいもの。
仮に500万円を経費として法人向けビジネスカードで決済した場合、そのカードが0.5%のポイント還元率のものであれば25,000円分返ってくることになります。
法人向けビジネスカードで経費として決済できるものには
- 交通費やガソリン費
- 書籍費
- 家賃
- 光熱費
- 通信費
- 広告費
- 外注費
とたくさんありますので、これらには積極的に法人向けビジネスカードで決済することをおすすめします。
私が代表を務める会社は月に1,000万円近くのWeb広告費が発生します。
所有している法人向けビジネスカードはアメックス・ゴールド・カードでポイント還元率は1%と非常に高いレート。
そうなると毎月10万円、年にして100万円分ものポイントを獲得しているわけです。
このポイントは雑所得となるので基本的には経費利用するのが基本。これにより経費節約となるのがメリットですが、ポイントをマイルに変えて個人旅行で利用しても特に問題はありません。
メリット③会計処理が楽になるのでバックオフィス業務が軽減する
メリット①でクレジットカード保有者が経費生産が楽になるということを解説しましたが、そのレシートや領収書を処理するバックオフィス、経理部門の業務も軽減できることは見逃せません。
これまで経費部門の方は以下のようなフローが必要だったはずです。
- レシートや領収書を受け取る
- 内容をチェック、確認
- エクセルや会計ツールに入力
しかし法人向けビジネスカードを導入することによりプロセスが簡素化できます。
- 法人向けビジネスカードのWeb明細をエクセル形式でダウンロード
- 会計ソフトにエクセルを読み込ませる(インポートする)
バックオフィス部門は毎日の業務もありますし、決算期はリソースが不足になりがち。
しかし法人向けビジネスカードが導入されていれば、業務負担を軽減できるので、こちらも大きなメリットといえるでしょう。
メリット④マネーフローにゆとりが出る
メリットの4つ目を解説していきます。
個人事業主の方を含む、会社を経営している方は急にキャッシュが必要になる場合に遭遇した経験は誰しも持っているのではないでしょうか。
例えば仕入れのタイミングが重なった、社用車が故障したなどです。
しかし法人向けビジネスカードは決済日の翌月、もしくは翌々月に支払いが発生しますので、その分マネーフローにゆとりを生み出すことが可能。
例えば毎月15日に締め、翌月10日払いとなる法人向けビジネスカードを利用している場合であれば、16日にクレジットカード利用をすれば支払いは翌々月の10日となり55日も支払いを先延ばしにできるのです。
会社経営を行う上で、キャッシュはプールしておきたいもの。そういった点で法人向けビジネスカードを持つことで会社経営を安定させることができるのです。
メリット⑤追加カードを発行することができるので経費がミエル化できる
法人向けビジネスカードによっては追加カードと呼ばれる、社員用のクレジットカードを発行できるサービスがあります。
これはメインの法人向けビジネスカードとは別にサブのクレジットカードで付帯サービスなどもメインカードと同じように利用することが可能です。
その場合、エネオスやシェルだけで利用できるガソリン給油だけに使えるオイルカード、ETC利用だけに限ったETCビジネスカードと様々な種類があるので、用途に合わせて選ぶのがおすすめ。
追加カードで経費決算されたものは全てメインカードの引き落とし口座からまとめて引き落とされます。
経営陣や経理部門、経費が発生しやすい営業部門などの社員に持たせることで様々なメリットが得られるでしょう。例えば
- 社員による建て替えが不要
- 利用分が全てWeb明細で確認ができる=経費のミエル化
といった事が挙げられます。
メリット⑥ビジネスシーンや福利厚生で割引など様々な優待が受けられる
法人向けビジネスカードの中にはレストランやホテル利用時の割引や優待、福利厚生に利用可能な施設の割引が付帯する事があります。
国内出張や接待時にホテルやレストランを法人向けビジネスカードで決済する事で経費を節約可能。
付帯サービスは一般カード<ゴールド<プラチナなどグレードが高くなるにつれて充実していきますが、その分年会費が必要となってきます。
メリット⑦旅行傷害保険やショッピング保険など
メリットの7つ目はリスクヘッジに役立つ旅行傷害保険やショッピング保険が付帯する法人向けビジネスカードがある事。
例えば北米に1週間出張する場合、5,000万円の補償を受ける事ができる保険に加入すると1万円ほどの保険料が都度必要となります。
しかし法人向けビジネスカードの中には旅行傷害保険が付帯するものがあるのでおすすめです。
法人向けビジネスカードの旅行傷害保険はクレジットカード決済により付帯する利用付帯とクレジットカードを保持しているだけで補償される自動付帯のタイプがあるので、契約時は確認しておきましょう。
ショッピング保険も大きなメリットと言えるでしょう。ショッピング保険が付帯する法人向けビジネスカードであれば、購入時から一定の期間中の破損や盗難などが起きた場合、全額か一部負担で補償してくれるといったもの。
万が一に備えたリスクヘッジとして法人向けビジネスカードを一枚持っておくと安心ですね。
メリット⑧困った時に相談したり、対応してもらえる
一般クレジットカードにはない、法人向けビジネスカードならではのサービスと言えるのがコンシェルジュサービスや経営コンサルティング、健康相談などの付帯サービスが法人向けビジネスカードを持つことによるメリットとして最後にご紹介します。
もちろん全ての法人向けビジネスカードについているメリットではありませんが、特にグレードの高いプラチナカードなどに付帯するコンシェルジュサービスは非常に便利なのでおすすめ。
新幹線などの交通機関のチケット手配、ホテルやイベントなどの予約、お土産の手配、予約が取りにくいレストランを前もって抑えてくれたりと、あなた専任のコンシェルジュがつくサービスです。
経営コンサルティングはビジネスに関する相談を無料で利用できるサービスのこと。財務、経営、税務、人事など様々なビジネスに関する困りごとを相談してみるのも良いでしょう。
法人向けビジネスカードを所有する事によるデメリットとは
法人向けビジネスカードを所有することによるデメリットは実はそう多くはありません。
デメリットを挙げるとすると以下の3点です。
- 年会費が必要な場合がある
- 最初は限度額が小さく設定されがち
- 審査が一般クレジットカードよりも厳しい事が多い
デメリット①年会費が必要な場合がある
付帯サービスや旅行傷害保険などが充実した法人向けビジネスカードであればあるほど、年会費が必要になってきます。
永年年会費無料という法人向けビジネスカードもありますが、先ほどご紹介したメリットが少なくなってしまうので、年会費が無料であることを選び方の最重要項目にするのはおすすめできません。
年会費は高額に感じ、デメリットとも言えるかもしれませんが、実は経費で落とす事ができるのでそれほど心配はいらないからです。
必要なサービスや保険が揃っているか、使いやすいかというメリット面と年会費というランニングコストを天秤にかけて選ぶのが賢い法人向けビジネスカードの選び方です。
デメリット②最初は限度額が小さく設定されがち
デメリットの2つ目は最初は限度額が小さく設定されがちな事。
初めて法人向けビジネスカードを申し込んだ際には最初の限度額設定にがっかりしたという方は結構多いです。
会社規模や個人の信用によりますが、最初は30万円から50万円という設定になる事も。
法人向けビジネスカードは引き落とし日で利用限度額の枠が空きますので、30万円しかない限度額だと毎月一定額を支払う予定であれば、単純に15万円しか一月に利用できないことになります。
これは確かにデメリットなのですが、時間の経過とともに解消されていきます。
もちろん毎月の支払いが遅れる事なく、きちんと行われることはいうまでもないですが、早ければ3ヶ月から6ヶ月ほどで限度額は大きく引き上げられる事も多いです。
デメリット③審査が一般クレジットカードよりも厳しい事が多い
デメリット最後は法人向けビジネスカードは一般クレジットカードよりも審査が厳しい事が多いこと。
法人向けビジネスカードの審査基準は会社の経営状態だけでなく、個人のこれ前でのクレジットカードの取引履歴も併せて見られます。
つまり、会社が毎月黒字であること、経営年数が一定数経過していることなどに加え、法人代表や個人事業主の過去のクレジットカードの支払いに遅延がないか、自己破産の経験がないかなどが審査に通れるかどうかに影響してくるということです。
もちろん法人向けビジネスカードによって審査に通りやすいカードと通りにくいカードがあり、審査に通りやすいカードであれば設立1年目からでも発行されますが、アメックス・ゴールドカードやアメックス・プラチナカード、銀行系が発行する法人向けビジネスカードは比較的審査が厳しいと言われています。
次のページではおすすめの法人向けビジネスカードをご紹介
これまで、法人向けビジネスカードのメリット、そしてデメリットを見てきましたが、いかがだったでしょうか。
メリット、デメリットをまとめてみると以下のようになります。
メリット | デメリット |
---|---|
領収書やレシート管理が不要になる | 年会費が必要な場合がある |
ポイントやマイルが貯まるので経費節約になる | 最初は限度額が小さく設定されがち |
会計処理が楽になるのでバックオフィス業務が軽減する | 審査が一般クレジットカードよりも厳しい事が多い |
マネーフローにゆとりが出る | |
追加カードを発行することができるので経費がミエル化できる | |
ビジネスシーンや福利厚生で割引など様々な優待が受けられる | |
旅行傷害保険やショッピング保険など | |
困った時に相談したり、対応してもらえる |
こうやってメリット、デメリットを比較してみると一目瞭然、法人向けビジネスカードを持つことによるメリットの方が圧倒的に多いという事がわかっていただけるのではないでしょうか。
デメリットはいずれも選ぶカードにより解消されますし、メリットとのバランスを考えるとそれほど大きなものはありません。
法人向けビジネスカードを持つ事でステータスを高める事も可能
法人向けビジネスカードのメリットとして最後にお伝えしたいのが「ステータス」。
やはりステータスの高い法人向けビジネスカードで支払いをした方が現金払いよりも取引相手や周りの人に与える印象が違ってきます。
ほとんどの法人代表者や個人事業主は法人向けビジネスカードを利用しているのが実情なので、現金でいつも支払いをしていると「会社として審査に通らないような実情なのかな?」とよくない印象を与えてしまうかもしれません。
それに対して例えば、アメックスのプラチナやゴールドなどのステータスの高い法人向けビジネスカードで支払いをすると周りの人に信頼性を与える事ができるので、ビジネスにおいても優位に進める事ができる可能性が高まるのではないでしょうか。
次のページではクレジットカードジャーナル編集部厳選の法人向けビジネスカードをご紹介
では法人向けビジネスカードを持つことのメリットを知っていただいたのであれば、実際に法人向けビジネスカードを選んでいくのはいかがでしょうか。
次のページでは当サイト、クレジットカードジャーナル編集部が厳選した法人向けビジネスカードを目的別にピックアップし、ランキング形式でご紹介しています。
あなたにぴったりの法人向けビジネスカードが見つかるはずですので、ぜひチェックしていきましょう。