法人の高速道路利用料金が割引になるETCコーポレートカードとは?
業務で高速道路を使う機会が頻繁にあるのであれば、ETCコーポレートカードの導入がおすすめです。ETCコーポレートカードには他のETCカードにはない大口・多頻度割引があるため、大幅な経費の削減が期待できます。
この記事では、ETCコーポレートカードの基礎知識を解説した上で、導入のメリットや通常のETCカードとの違いについて解説していきます。
高速道路料金のコスト削減!ETCコーポレートカードとは
ETCコーポレートカードは、NEXCO東日本・中日本・西日本が協同で発行している法人向けのETCカードです。
発行には保証金やカード発行手数料、年会費などがかかりますが、高速道路などの有料道路を利用するときに時間帯割引や大口・多頻度割引等のさまざまな割引を受けることができます。
特に魅力的なのが通常のETCカードにはない「大口・多頻度割引」が適用されることです。高速道路での利用金額や利用台数が増えるにつれて割引率が高くなっていため、業務で高速道路を頻繁に利用する企業が導入することで大幅なコスト削減になるでしょう。
申し込み方法は、NEXCOに直接申し込むか、ETCコーポレートカードを取り扱っている事業協同組合で申し込む方法の2通りがあります。直接申し込む場合は、1ヵ月の利用金額の4倍に相当する額以上の保証金が必要となるため、事業協同組合で申し込みをするのが一般的です。
ETCコーポレートカードの対象道路と高速道路料金割引率
ETCコーポレートカードでは、高速道路や一部の有料道路を利用すればするほどお得になる「大口・多頻度割引」が適用されます。ETCコーポレートカードの大口・多頻度割引の対象道路は、以下の通りです。
- NEXCO東・中・西が管理する全ての高速自動車国道
- NEXCO東・中・西が管理する一般有料道路のうち、京葉道路、東京湾アクアライン、圏央道、新湘南バイパス(ただし圏央道、新湘南バイパスは、ETC2.0車に限る)
自動車1台ごと、1カ月あたりの対象の高速道路・有料道路の利用額に対する割引率は、以下の通りです。
- 5,000円を超え、10,000円までの部分:10%(20%)
- 10,000円を超え、30,000円までの部分:20%(30%)
- 30,000円を超える部分:割引率:30%(40%)
※()内は、ETC2.0を使用する事業用車両に限り適用される割引率(令和4年3月末まで)
さらに、契約者ごとの1ヶ月の高速道路の利用額合計が500万円を超え、かつ、契約者の自動車1台あたりの1ヶ月平均利用額が3万円を超えた場合、さらに10%の割引が適用されます。(一般有料道路の場合5%の割引)
細かい割引の内容については、以下のサイトを参考にしてください。
NEXCO東日本 「ドラぷら E-NEXCOドライブプラザ」
https://www.driveplaza.com/etc/dis/etc_dis_frequency/
ETCコーポレートカードのメリット
ここからは、ETCコーポレートカードを利用することによるメリットを解説します。
大口・多頻度割引で高速道路料金のコスト削減
先ほど紹介した通り、ETCコーポレートカードを利用することでNEXCO東・中・西が管轄する高速道路や有料道路が最大40%と割引になります。さらに、企業全体で1カ月に合計500万円以上、1台あたり平均3万円以上の利用により、さらに割引がされます。
社用車が多く、高速道路や有料道路を利用する機会も多い企業は、この割引が適用されることにより大きなコスト削減になるでしょう。
料金所をスムーズに通過できる
ETCコーポレートカードを利用することにより、高速道路の料金所をスムーズに通過できるのも大きなメリットです。
高速道路の料金所で一時停止して、財布の中から小銭を探して支払うのって面倒ですよね。
ETCコーポレートカードを利用すれば、ETCレーンを通過するだけで有料道路の支払いが終わります。従業員の手間も削減できますし、仕事の効率化にも繋がるでしょう。
クレジット機能なしの専用カードで安心
ETCコーポレートカードには、クレジットカード機能がついていません。そのため従業員が会社の経費を不正利用する心配がなく、安心して配布することができます。
さらに、ETCコーポレートカードは、1車両に対して1枚のETCカードを専用で発行するため、申込時に登録した車両以外では使えません。通常のETCカードのように抜き差しをして、自家用車などで使われる心配もなく、管理も楽です。
利用明細の発行で車両管理・経理管理の効率化
ETCコーポレートカードを利用すると、高速道路料金は指定した口座から後日まとめて支払いをすることになります。従業員が立て替えた高速道路料金の清算をする必要がなくなるため、経理業務の負担軽減になるでしょう。
利用明細を見るだけで高速道路料金として支払った金額は一目瞭然です。交通費の領収書をひとつひとつ確認して入力するという面倒な経理業務の負担を減らせるだけでなく、経費の透明化にも繋がります。
さらに、利用明細には各車両の走行ルートや高速道路の料金所を通過した時間なども記載されています。車両ごとに走行ルートを見直すことで、ドライバーの業務効率の向上も期待できるでしょう。
法人ETCカードとの違い
法人用のETCカードとしてETCコーポレートカード以外にも、高速情報協同組合が発行する法人ETCカードと、カード会社が発行するETCカードの2種類があります。
高速情報協同組合が発行するETCカードは、クレジット付帯なしのETCカードです。高速道路の大口・多頻度割引は適用されませんが、ETCマイレージサービスによる割引を受けることができます。また、使用できる車両が限定されておらず、レンタカーなど複数の車両で使いまわしができるところも、ETCコーポレートカードと異なる点です。
あまり高頻度で高速道路は利用しないという場合は、ETCコーポレートカードよりも法人ETCカードを選ぶと良いでしょう。
カード会社が発行するETCカードは、法人カードやコーポレートカードの付帯サービスとして発行するものです。高速道路料金を支払った場合、クレジットカードの支払い分とまとめて決済がされます。そのため、ETCマイレージサービスのポイントだけでなく、カード会社のポイントが貯まるというメリットがあります。さらに、カード会社独自のビジネスサービスや旅行保険なども付帯されています。
高速道路の利用だけでなく、出張の旅費や消耗品の購入など、ビジネスの経費を全てひとまとめにしたいという方に、カード会社のETCカードがおすすめです。カード会社によって年会費や付帯するサービスなどはさまざまですので、よく比較検討するようにしましょう。
まとめ
法人向けのETCカードである、ETCコーポレートカードについて解説しました。ETCコーポレートカードには、高速道路の料金が大幅に割引になる「大口・高頻度割引」が付帯されています。
社用車を複数台所有しており、高速道路の利用頻度が高い企業は、ETCコーポレートカードを導入するとコスト削減になるでしょう。
ただし、ETCコーポレートカードは高頻度の利用を前提としたカードのため、利用の状況によっては高速情報協同組合の法人ETCカードや、クレジットカード会社から発行されるETCカードについても検討しましょう。自社の利用状況に合わせて、お得なETCカードを選択してください。